仙台市 宮城野区 しらとり歯科医院です。前回に続いて、調査結果や海外の研究データをもとに、「歯科健診と歯科検診」、「歯のクリーニングの間隔」についてお話しします。歯や口の健康を守るためには、定期的な歯科健診、歯科検診の受診が大切です。
1.今さら聞けない歯周病の疑問
・お財布に優しい🫢!毛先が広がったら歯ブラシ交換はもう古い?
・正解って?誰もが気になる口臭とその対策
・ちょうど良い頻度は?🤔歯科検診、歯のクリーニングの間隔
・2人に1人?「子どもの歯周病」知っていますか
【ちょうど良い頻度は?🤔歯科検診、歯のクリーニングの間隔3】
理想的なクリーニングの通院間隔は?
前回お伝えした予防に関する研究を振り返ります。来院頻度だけをみると1年に1度の来院と比較して、2〜3ヶ月の場合、歯の失うリスクが少ない(失った歯が平均0.4〜1.8本)ことがわかります。一般的に言われるのが「定期健診の頻度は3ヶ月に1回」が1つ目安になるのかもしれません。ただ比較対象が1年に1度の来院であること、なかなか忙しく都合がとれない方も多くいらっしゃる事を考えると、余裕を持って「3〜6ヶ月に1度」が適度な定期健診の頻度になるのかもしれません。
大切なのは自宅でのセルフケア
来院期間もそうですがこの研究で重要なことは、グループAがクリーニングはもちろん、患者さんにセルフケアの方法を都度伝えていました。口の中は、100人いれば100通りです。歯科医院のクリーニングといえば歯ブラシの当て方や歯磨き指導を思い浮かべるかもしれませんが、基本的に一人一人に合った歯ブラシがあります。形や大きさ、毛先の硬さなど、磨き方も大切ですが、歯ブラシ選びも忘れてはいけません。歯ブラシ選びに困っている方がいらっしゃいましたら、ご相談ください。
お口のトラブルに注意!仕事と休暇にも影響?
平日、とくに仕事中にむし歯で歯が痛い、被せ物が取れたなどの経験がある方がいらっしゃるかと思います。
歯ブラシで有名なメーカーのライオンが、「お口のトラブルによって会社を休んだり、中抜け・早退・遅刻をしたことがあるか」、300名以上規模の企業、20〜60代男女1522名を対象に調査しました。15%の人が「仕事を休んだことがある」、約13%の人が「中抜け‧早退‧遅刻をしたことがある」と回答しました。このような、欠勤や早退などで就労できない状態を「労働損失、アブセンティーズム」といい、少なくとも30%の方が該当していました。
ある事業所で行った検証によると、歯科健診を導入することで、お口のトラブルによる予定外休暇が半分以下に減少したというデータがあります。トラブルが起きる前に、状態が悪化する前に歯科医院を受診する、問題ないかチェックすることで、アブセンティーズムを防ぐことができます。
お口のケアで仕事のパフォーマンスが向上?!
また、ある企業が歯科健診を導入し、仕事のパフォーマンスの変化を調査しました。歯科医医院の通院を通して歯みがき回数、デンタルフロスの使用の頻度が増えることで仕事のパフォーマンスの向上が確認されたそうです。パフォーマンスの落ちている状態のことを「プレゼンティーズム」というそうで、オーラルケアの習慣によってプレゼンティーズムを示すスコアが有意に改善していたそうです。仕事のパフォーマンスの向上のためには、睡眠や残業時間、運動習慣や飲酒量などが関係しますが、より良いオーラルケア習慣を身に着けることは、口腔疾患の不安がない健康な状態につながり、他の健康習慣と同様、十分なパフォーマンス発揮に寄与することが考えられます。