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母乳、離乳食からのむし歯予防

マイナス1歳からのむし歯予防③

〜保護者の方の口腔ケア?ガムでの代替?〜

「出産後から?お母さんの口の中からネバネバ(不溶性グルカン)を減らす工夫」

 

お子様のむし歯予防のために、お手入れ、仕上げ磨きを行うことは大切ですが、時間帯や状況によっては、なかなか難しいこともあると思います。前回に続き、「母乳、離乳食からのむし歯予防」についてお伝えします。

※むし歯予防は歯磨き、フッ素の使用を行うことが一番基本です。それを忘れずに今回のお話を参考にして下さい。

 

コマーシャルや健康番組などで「キシリトールとむし歯菌の関係」について、ご存知の方も多いかと思います。ガムで有名なキシリトールについて、フィンランドをはじめとする海外の国々で研究がなされ、むし歯菌(特に代表菌、ミュータンス菌)のお母さんから赤ちゃんへの母子感染の予防効果が報告されています。

〜研究・報告〜

日本では、むし歯リスクの高い、妊娠中から生後9ヶ月時までの女性を対象にした研究があります(岡山大学小児歯科の報告)。出産から2歳になるまで、お子様のむし歯菌への感染を調査したところ、お母さんがキシリトール入りガムを噛むことによって、お子様へのむし歯菌感染のリスクが下がったそうです。 母親がキシリトール入りのガムを噛んでいたお子様と比べて、母親がガムを噛んでいなかったお子様は、むし菌の感染率が低かったそうです。

ではなぜ「キシリトール入りガムを噛むことでむし歯が予防される」のでしょうか。むし歯菌定着の仕組みとともに、簡単に説明します。

 

〜むし歯菌定着の仕組み〜

① 食事や飲み物を飲んだ後に口の中がネバネバする(このネバネバを不溶性グルカンと言います)

② ネバネバが歯1本1本、歯の表面に張り付く

③ ネバネバにむし歯菌が付いてしまう

④ くっつきが上手くいくと、どんどん菌が定着・増殖してしまう

 

 

〜キシリトールとむし歯菌(ミュータンス菌)〜

① キシリトールにはネバネバ(不溶性グルカン)が口の中にできるのを防ぐ力がある

② 歯の表面にむし歯菌がくっつかなくなり、むし歯予防につながる

 

 

今回キシリトールを引き合いに、むし歯菌の母子感染予防を説明しましたが、歯ブラシによる歯磨き、フロス、歯間ブラシなどの補助器具の使用、しっかりと磨き残しなくお口のケアを行うことで、ネバネバ(不溶性グルカン)を減らすことができます。

特に妊娠中は食生活の変化などで口の中の環境が変化したり、つわりで上手にケアができなかったり、むし歯や歯周病のリスクが高くなります。また産後、ストレスや忙しい状況で満足のいくお口のケアを行うことはなかなか大変だと思います。 お母さん、お子様のむし歯や歯周病の予防には、歯磨きが難しい場合、その替わりに洗口液によるうがいやキシリトール入りガムを噛むことが、一つ手助けになるのかもしれません。

 

お子様もそうですが、お父さん、お母さんもむし歯予防、歯周病予防が必要です。むし歯、歯周病、着色、歯ブラシや洗口剤など、口腔ケアでお困りの方がいらっしゃいましたらいつでもご相談ください。