仙台市 宮城野区 しらとり歯科医院です。先日行われた、日本口腔インプラント学会第45回 近畿・北陸支部学術大会(大阪歯科大学 楠葉キャンパス)に参加してきました。日頃聞けないようなお話として、特別公演では、滋賀医科大学で行われている皮膚疾患治療の医科歯科連携について、また身近なものとしては「骨粗鬆症―歯科から始める医科歯科連携」についてお話を聞く事ができました。
そして専門医教育講座では、「インプラント治療後のメインテナンスと長期予後」というタイトルで大阪大学、口腔インプラントセンター長の西村教授が講演を拝聴しました。
今回はその中でも「骨粗鬆症について」と「インプラント治療後のメインテナンス」についてお伝えします。

1.インプラント治療の第一歩!歯科医院で撮る「パノラマレントゲン」とは?
・主な歯科治療におけるレントゲン撮影の目的
・年間1500万枚!「パノラマX線写真」とは?
2.【インプラント前にチェック?🤔】歯科のレントゲンでわかる「沈黙の病気」骨粗鬆症リスク
・AI解析で変わる!歯科パノラマレントゲンが教える骨折リスク
・骨粗鬆症は「沈黙の病気」:見逃してはいけない初期サイン
3.骨粗鬆症でもインプラントは可能?骨粗鬆症の薬を飲んでいる方へ
・歯周病と骨粗鬆症は無関係ではない:研究で示される関係性
・骨粗鬆症のお薬を服用中の方へ:インプラント治療前の重要な確認事項
・【次回予告】インプラント治療後の長期メインテナンスについて

1.インプラント治療の第一歩!歯科医院で撮る「パノラマレントゲン」とは?
主な歯科治療におけるレントゲン撮影の目的
通常、歯科医院では歯周病(歯周囲にある歯槽骨の吸収や変化を観察)やむし歯、神経の治療、そしてインプラント治療(埋入予定部位の歯槽骨の評価、治療後の観察)などを目的にレントゲン写真が撮影されます。
年間1500万枚!「パノラマX線写真」とは?
中でも「パノラマX線写真」は年間1500万枚(65歳以上の方は500万枚)撮影されていると言われています。よく省略されて「パノラマ」と呼ぶことが多いですが、親知らずの抜歯の検査時や初めて歯科医院に来院された際に観たことがあるかもしれません。部分的なものではなく、「上下全体が写った顎と歯のレントゲン写真」といえばなんとなくわかるかと思います。

2.【インプラント前にチェック?🤔】歯科のレントゲンでわかる「沈黙の病気」骨粗鬆症リスク
AI解析で変わる!歯科パノラマレントゲンが教える骨折リスク
講演では、「パノラマX線写真」の撮影後に、AIの解析によって骨の形態や厚さを基に相対的に骨密度を評価して、骨折のリスクのある「骨粗鬆症の方」に情報を伝えるというような内容でした。
歯科検診、定期検診で来院されて歯周病の予防、治療をされている方が年々増えていますが、骨粗鬆症の場合、男女問わず「転んでしまった際に腰を打った」、「手をついたなどで脚や手を骨折した」など自覚症状がほとんどないまま進行するため、骨折した後に自覚する場合が多いそうです。
骨粗鬆症は「沈黙の病気」:見逃してはいけない初期サイン
前回の記事で歯周病についてお話ししましたが、骨粗鬆症も「沈黙の病気」と言われており、「25歳時と比べて身長が 4cm 以上低下した」、「背中が丸くなった」 、 「腰や背中に痛みがある」、「洗濯物を高いところに干せなくなった」、「高い棚に手が届かなくなった」、「胸やけや胃部の圧迫感がある」がある方は、注意が必要だそうです。

3.骨粗鬆症でもインプラントは可能?骨粗鬆症の薬を飲んでいる方へ
歯周病と骨粗鬆症は無関係ではない:研究で示される関係性
歯科治療において全く関係ないことはなく、以前から歯周病と骨粗鬆症の関係について多くの研究が行われてきました。歯周病の発症リスクやその予防についてある程度わかってきています。
骨粗鬆症のお薬を服用中の方へ:インプラント治療前の重要な確認事項
インプラント治療も例外なく注意が必要です。高齢社会である日本では、生活習慣病をはじめとした持病をお持ちの方が骨粗鬆症のお薬を飲んでいます。飲み薬なのか、注射なのか、どのくらいの頻度で行っているのかなどによって治療の選択肢は変わってきます。わからないこと、質問があれば、なんでも良いのでご相談ください。

【次回予告】インプラント治療後の長期メインテナンスについて
次回はインプラント学会の話から、「インプラント治療後のメインテナンス」についてお伝えします。
次回に続く