仙台市 宮城野区 しらとり歯科医院です。前回は、「歯科健診と歯科検診」、「国民皆歯科健診」についてお話ししました。歯や口の健康を守るためには、定期的な歯科健診、歯科検診の受診が大切です。今回は調査結果や海外の研究データをもとに、「歯のクリーニングの間隔」についてお話しします。
1.今さら聞けない歯周病の疑問
・お財布に優しい🫢!毛先が広がったら歯ブラシ交換はもう古い?
・正解って?誰もが気になる口臭とその対策
・ちょうど良い頻度は?🤔歯科検診、歯のクリーニングの間隔
・2人に1人?「子どもの歯周病」知っていますか
【ちょうど良い頻度は?🤔歯科検診、歯のクリーニングの間隔2】
歯科健診の受診率について
ある歯ブラシメーカーが16〜69歳の男女2000名に受診率について調査を行いました。結果は、歯科医院で1年に1回以上、定期的に歯科健診を受けている人の割合は約4割、一方で、不定期や受けていないという方は約6割いました。半分以上の方は、定期的な歯科健診の習慣がないことが分かります。
「からだの健康」と「歯の健康」
また、60代の男性100名に、健康に関する後悔を聞いた調査結果ですが、1位は「歯科医院に定期的に行けばよかった」でした。「体を鍛えればよかった」「暴飲暴食をしなければよかった」「睡眠時間を確保すればよかった」以上に、歯に関する項目が上位に来ています。このことからも、若いうちから定期的に歯科健診に行くことの重要性が分かります。
予防歯科?歯科健診の成り立ち
テレビなどで予防歯科と聞いたことがあるかと思いますが、歯科における予防の考え方や歯科健診の習慣は、どのようにして始まったのでしょうか。予防大国、歯科先進国と呼ばれるスウェーデンを例にお話しします。
1960年代、スウェーデンでは多くの人がむし歯や歯周病にかかっていました。そこで政府が「むし歯と歯周病の予防」を国家戦略として掲げ、1974年に歯科保健制度が導入されました。現在、23歳まで無料で歯科診療が行われており、虫歯や歯周病のない人がそうならないように予防する段階から適応されています。
スウェーデン イエテボリ大学教授 ピーター・リングストロム博士の言葉
「他の国と比較して、スウェーデンの歯科研究には大きな利点があります。 スウェーデンでは、子供と青年が定期的に歯科治療を受けており、ほとんどの成人も定期的に歯科医師または歯科衛生士による受診をしています。…」
日本では、むし歯や歯周病が発症した後に歯科に受診する「トラブル来院型」が過半数を占めています。スウェーデンでは歯科健診が文化として根付いており、むし歯で歯がしみたり、痛みが出たり、歯周病で歯がグラグラになる前に受診する「予防来院型」にシフトしています。
定期健診の効果?30年にわたる研究!
1970年から2000年の間に行われた30年に渡る予防に関するある研究があります。スウェーデンのイエテボリ大学ヤン・リンデ博士、ペール・アクセルソン博士らにより行われました。
グループA(2〜3ヶ月に一度の予防処置、個人個人に合ったお口のケアを指導)とグループB(年に1度の来院、特別お口のクリーニングは行わず、治療を行うだけ)に分かれ、30年間追跡調査を行いました。結果は、グループAは失った歯が平均0.4〜1.8本と結果が良好で、グループBはむし歯や歯周病が防げず良い結果が得られませんでした。
次回に続く